からだのどこかに痛みがあるという状態はとてもつらいことです。
特に長く続いている痛みというのはその部分だけにとどまらず、交感神経の緊張により、全身の不調や精神にも変調を与え、更に痛みを増幅させてしまいます。
痛みとは、その刺激が末梢神経から脊髄に伝わり、更に脊髄にある門(ゲート)が開いて脳に伝わることによって“痛み”として認識されます。この痛みを感じるしくみに、皮膚へのタッチングや香り、感情が関係すると言われています。
心地よい皮膚へのタッチングや好きな香り、快い感情は脊髄にある門(ゲート)を閉じ、痛みを軽減する方向に働き、脳内モルヒネ(鎮痛作用のある神経伝達物質)の分泌を活性化すると言われています。
心地よいタッチのアロマトリートメントは、この痛みを軽減するしくみを働かせるだけでなく、精油の薬理作用を全身から取り入れることができ、痛みの軽減へと繋がります。
痛みに関する相談はよく受けるのですが、特に40代、50代の女性から多いのが、関節リウマチによる痛みです。
関節リウマチとは、全身の関節に炎症が起き、痛みや腫れ、関節の変形などが起きる疾患です。免疫の異常によるものということはわかっていますが、その原因は明らかになっていません。
関節リウマチに対する治療は進歩しており、早期に治療を開始すれば症状をくい止められることも多くなりましたが、治療による副作用や、取り切れない痛みに悩む方は多くいます。
ちょうど更年期と重なり、痛みだけでなく、様々な不調にも悩んでいる方も多いです。
症例紹介(ご本人の了解を得たので載せさせていただきます)
Aさん、40代の女性は、関節リウマチにより、体中痛くて、朝子供のお弁当を作ってあげられない。。。と体だけでなく、心も痛めていらっしゃいました。
しっかりと検査や治療を受けた上で、これ以上できる治療がない、アロマの力を借りてみたい、ということで、痛いところに塗る軟膏と、特に疲れの出やすい首筋に使えるトリートメントオイルを作られました。
毎日お風呂上りにトリートメントオイルで首筋をセルフケアし、関節が痛い時には軟膏を塗るということを続けていたら、
1か月後にお会いした時には、「あのクリーム魔法のクリームだよね!本当に痛くなくなるの!」とお話しされました。
さらにセルフケアを続けて頂いたところ、「夜よく眠れるようになって、痛いことが減ったの!」と、明るい表情でご報告くださいました。
半年後にお会いした時には、「薬を使う間隔が伸びて、病院の先生もこれなら薬を止めてみてもいいって!朝お弁当作れるの!」と嬉しいご報告を頂きました。
アロマテラピーでのセルフケアを続けて頂いたことで、Aさん自身のかだらがバランスを取り戻し、症状が軽減してきたのだと思います。
精油には多くの薬理作用がありますが、出てしまった強い症状に対して、西洋医学の薬のような即効性はあまりありません。でも継続していくことで、病気の一因となっていた身体のバランスの乱れを整え、つらい症状を緩和し、さらに新たな病気の予防へ繋がります。
何事も継続することって大変だと思いますが、Aさんは、「いい香りだから、毎日使うのが楽しみで、全然苦にならない」ともおっしゃっていました。
アロマテラピーのような代替補完療法も、人によって合うもの合わないものあると思いますが、
今後も、様々な症状を抱える方が、生活の中に上手にアロマテラピーを取り入れることができ、症状緩和に繋がるよう、お手伝いできればと思っています。
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